第19回東京フィルメックス「8人の女優と1つの舞台」

東京フィルメックス特別招待作品「8人の女優と1つの舞台」(スタンリー・クワン監督)鑑賞。
ライバルである二人の女優を中心に、共演舞台の初日の幕が上がるまでの彼女たち、プロデューサー、付き人や親密な女友達が繰り広げるバックステージもの。8人の女たち(性転換者も含む)のユニークな人物造形、エピソードの積み上げによる厚みのようなものが見事で、キャラクターが立ち上がっていれば映画は殆んど成功したようなもの、という原則を思い起こさせてくれます。特に、ベテラン女優と親密な関係にあるボーイッシュな財閥の孫娘の、その美麗なルックスと女優に寄せる純情がとても魅力的。彼女が無人の舞台で女優に向けたラブソングを歌うシーンはこの映画の白眉です。
他にも、新進女優が乗ったタクシーの運転手が彼女のデビュー作の監督で、「香港映画は死んだ!」と言わせたり、ベテラン女優がリハーサルで亡き夫を思い起こしいつまでも涙を流したり、映画をドライブさせる演出が巧みで、いつの間にか観客は身を乗り出してスクリーンを見つめることになります。
Q&Aに登場したクワン監督が、この作品が改装が決まっている香港演劇人の聖地とも言うべき古い劇場と、過去作のプロデューサーであるウィリー・チャン氏へのオマージュであることを述べ感動的でしたが、それ以上に「私は観客の想像力を信じている」と言っていたのが印象的でした。

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