第32回東京国際映画祭「戦場を探す旅」
コンペティション部門「戦場を探す旅」(フランス・コロンビア/オーレリアン・ヴェルネ=レルミュジオー監督)を鑑賞。
19世紀後半、戦場カメラマンとしてメキシコを訪れるフランス人カメラマン。中々戦地に辿り着けない状況下で、現地の青年がアシスタントとして仲間に加わり、共に過酷な道行きを体験していく。
恐らくは世界初の戦場カメラマンという物語設定には胸躍るものがあります。しかし、本当のテーマは辿り着けそうで辿り着けないもどかしさと、結局一枚も戦場写真を撮ることのなかったカメラマンの内面の葛藤です。上映後のQ&Aで明かされていたように、未開の地を行く文明人と現地の案内人、その交流という構図は黒澤明監督の「デルス・ウザーラ(75年)」にとても似ています。実際にはコロンビアでロケをしたという厳しい山岳地帯の風景も印象的でした。