東京国際映画祭その7 「グレイン」

東京国際映画祭のコンペティション部門のグランプリはトルコの観念的SF映画「グレイン」でした。私もこの作品は楽しみましたが、グランプリというのは少々意外でした。誰もが言うようにタルコフスキー的だし、かと言ってタルコフスキーを凌駕するイメージがあるわけではありません。

物語は国家がDNAにより国民を選別し、国家が管理するエリアと、それ以外の辺境に国民を振り分ける近未来において、遺伝子操作により栽培される穀物が死滅する理由を調査官が辺境へ赴き謎を探るというお話です。タルコフスキー的ですね。撮影場所はカッパドキアらしいのですが、一面に広がる荒涼とした大地や石窟など、よくぞ見つけてきたと言いたくなる素晴らしいロケーションやそれを美しく捉えた撮影など、見どころが多い作品です。このような観念的、啓蒙的な作品は正直言って少々古臭いのではないかとも思いますが、昨年のコロンビアの映画「彷徨える河」と同様、形而上的な作品はいつの時代にも必要なのかもしれません。やはり迫力があるのは事実です。

惜しむらくは終盤が少々雑というか、思わせぶりな映像を連ねて終わってしまう点でしょうか。緊張感が途中でぷっつり途切れてしまったような印象がありました。

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