第19回東京フィルメックス「草の葉」

第19回東京フィルメックス特別招待作品「草の葉」(ホン・サンス監督)鑑賞。

今年のフィルメックスはオープニングに「川沿いのホテル」とこの「草の葉」と、ホン・サンス監督の2作品上映ということで、日比谷の東宝劇場は満席。全国区では無いにせよ、日本でのホン監督人気が伺えます。チケットもすぐに売り切れでした。

物語はクラシックを流す喫茶店に集まる客たちと、それを観察し悪趣味にもわざわざ MacBookに記録する女性(キム・ミニ)が登場する会話劇。次作の「川沿いのホテル」同様、キム・ミニは作品の中心と言うより観察者の立場です。結局皆一同に会して酒を呑むのだろうな、と思って観ていると予想通り喫茶店に「持ち込み」で呑みだすのだからホン・サンス節が徹底しています。

映画の冒頭に一組の男女が登場し、共通の知人女性の死は男性に責任があるのだ、と女性がなじります。また、中盤に違う男女が登場し、今度は男性が、共通の知人男性の死は女性の責任だ、となじる。次作の「川沿いのホテル」でも死がテーマになっていて、同じモノクロ撮影ということもあり、共通した要素を感じます。

最後に喫茶店の無人のショットが幾つか重ねられ映画は終わるのですが、明らかに小津安二郎を思わせる終わり方に驚かされます。今作と「川沿いのホテル」には今までのホン監督作には感じることのなかった死の影、不吉さのようなものが見て取られます。これからホン監督はどのような作品を撮っていくのか、興味が尽きません。

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