第21回東京フィルメックス「愛のまなざしを」

東京フィルメックス特別招待作品「愛のまなざしを」(万田邦敏監督)を鑑賞。

今年のフィルメックスの審査委員長でもある万田邦敏監督。万田監督を審査委員長にするのも、今作をオープニング作品にするのも、良いセンスしています。

私は万田監督の「接吻(08年)」が好きなのですが、あの映画で小池栄子が体現していた危うさのようなものが今作にも濃厚に漂っていて、嬉しくなります。フランス映画ならいざ知らず、中々日本で会話劇のサスペンスというのは成立しづらいと思うのですが、その点でも実にスリリングな、会話により二転三転する登場人物間の力学の変化が楽しめます。女優としての杉野希妃は深田晃司監督の「歓待(10年)」や「ほとりの朔子(13年)」でも印象的でしたが、今作の杉野希妃の、知的にコントロールされた、一種下卑たエロティックさは今の日本の女優にあまり無いタイプのものかもしれません。

今回観逃した万田監督ファンの皆さん、来年春には公開されるそうですので、期待してお待ちください。物凄く、面白いです!

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