第21回東京フィルメックス「迂闊(うかつ)な犯罪」

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コンペティション部門「迂闊(うかつ)な犯罪(イラン/ シャーラム・モクリ 監督)」を鑑賞。

70年代後半のイラン革命後に実際に起こった映画館焼き討ち事件をモチーフに、客を効率的に入れることしか考えない映画館経営者と、再び映画館焼き討ちを企むグループ、学生映画サークル一派が入り乱れ、さらにその映画館で掛けられている映画「迂闊な犯罪」では、ミサイルの不発弾処理にあたる軍人と、山奥で映画上映を試みる若者たちの物語が繰り広げられるという、メタ構造の複雑な物語です。一歩間違うと陳腐極まりない映画になりそうですが、監督が想像力のリミッターを外し、なおかつ独りよがりにならずに一つ一つのシーンが魅力的に作られています。特にラストシーンの想像力のジャンプ力は見事で、このような高揚感を与えてくれるのは映画芸術ならではの魅力だと感じさせてくれます。

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