第33回東京国際映画祭「Malu 夢路」

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プレミア部門「Malu 夢路(マレーシア・日本/エドモンド・ヨウ監督)を鑑賞。

母子家庭で育てられたマレーシアの姉妹、ホンとラン。やがて一人は母親と、一人は祖母に引き取られる。母の死後は一緒に暮らすことになるが、ある日妹のランは姿を消す。その後、ランの死の報せが日本から届き、ホンは日本へ。ランと暮らしたルームメイトや、恋人のような存在だった男性と出会い、ランの日本での生活を知ることになるが・・

エドモンド・ヨウ監督は前作の「アケラット-ロヒンギャの祈り」も東京国際映画祭に出品しており、とてもタイムリーな力作だったと記憶していたので鑑賞しました。永瀬正敏や水原希子、細野晴臣といった日本の俳優、アーティストと組んだ作品としても興味がありました。作品は現在、過去を曖昧に彷徨いながら、二人の姉妹の関係性に焦点が当てられていきます。マレーシアでのパートから日本へ移った後のパートで妹のキャラクターががらりと変わり戸惑いますが、上映後のQ&Aで監督からは意図的に変えた、という説明がありました。キャラクターの変容を含め、永瀬正敏の存在など、村上春樹作品に見られるような二面的な世界を描くことがテーマであろうとは思うのですが、いささか表面的で必然性に乏しく、もういないはずの人物をフレームに入れて描く手法同様、破綻が多くみられる作品だと感じました。

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